その土地あの土地 その1
伊豆半島は、世界で最高に美しい土地の一つです。
富士山のふもとから、相模湾と駿河湾の間に突き出た半島で、火山脈が背中を走り、緑の山、谷川、温泉、薄暗い林間の空地でいっぱいです。
東西両岸には、入江、海面高くそびえたつ断崖、松林と静かな砂浜のすばらしい岸辺が続きます。
古い丘の上から静けさのなかで見る眺めは格別です。
富士の白い円錐体を背景にして海は下に見え、潮騒と遠くの寺の鐘がかすかに聴こえます。
そして半島の尖端、湾に包まれた下田の街は東京から熱海、熱海から伊東へ南に下ったり、駿河湾の漁村を見おろす静かな西海岸を走ると、ビッグ.スーアを通ってサンフランシスコに上がるカリフォルニァ湾岸旅行とまではゆかなくても、カンヌとマントン間のコート・ダジュールを思い出させます。
伊豆の景色はそこに似ています。